2012年10月31日水曜日

第9回 アイデアの正体とは(1)


 「なんかいいアイデアないー?」

 アイデアとはそもそも何でしょうか。また、アイデアの良し悪しとはどう評価すればいいのでしょうか。
 世にあまたある発想法の書籍などをみても、アイデアのひねり出し方は書いてあっても、アイデアであるための構成要件とはなにか、優れたアイデアと悪いアイデアはどう判定すればよいのか、明確に指摘してある本はほとんど見当たらないように思います。


アイデアの正体


 アイデアとは、「目的と手段の組み合わせ」です。


 特定の目的を設定し、その目的を達成・解決するための手段を提示する。それがアイデアといえます。そしてその目的および手段の妥当性や新規性実現性、組み合わせの妙などの評価がアイデアの良し悪しとなります。

 アイデアとは、目的と手段がセットになっていなければなりません。どちらか一方しかないものは、単なる「思いつき」であって、アイデアとは呼べません。以下ではその例を説明します。


ただしいコロンブスの卵、おかしなコロンブスの卵


 アイデア発想の妙例として、「コロンブスの卵」の逸話は有名ですね。このコロンブスの卵には、しっかり「目的と手段」が含まれています。
 卵をテーブルに立てるにはどうすればよいか?(目的)→卵を叩きつける(手段)。この素晴らしいコンボは、簡単な回答だけど最初に思いついたやつが偉い!天才だっ!ってなるわけですね。

正しいコロンブスの卵
正しい「コロンブスの卵」


 さて、ここでもし、「目的」がなかっとしたらどうなるでしょう。コロンブスはいきなり突然テーブルに卵を叩きつけます。周囲の人は(違った意味で)目を瞠るでしょう。「このオッサン、ついに狂ったか・・・」

まちがったコロンブスの卵
まちがった「コロンブスの卵」


 コロンブスがやったことは、おなじ「卵を突き立てろ〜〜〜!(平松伸二風)」であるにもかかわらず、なぜ結果はこのように大きく異るのでしょうか。
 それは目的と手段がセットになっていないからです。

 同様に、目的があっても手段がない場合、すなわちコロンブスが問題を出しておきながら自分でも卵を立てられない場合、「答えはありません!解なしもまた解なり!ダハハ・・」などと言って周囲を失望させることになります。つーか自分でできないならなんでそんな問題出したんやアホかっちゅうねん。ってなります。


まとめ


 アイデアを評価する場合には、ますそれがそもそも”アイデアであるかどうか”を判定する必要があります。そのアイデアの目的は?そして手段は? それがしっかりと揃っていて組み合っていてはじめてそのネタをアイデアと呼ぶことができます。もしそうでない場合は、「そりゃただの”思いつき”でしかないわ」といって却下されることになります。
 アイデアを考える場合、評価する場合には、目的は?そしては手段は?ということを強く意識するよう、ぼくは心がけています。

 この「アイデア=目的+手段」って話はさらに続きがあるのですが、それはまたエントリを改めておいおい書いていきたいと思います。よろしくねっ!

 なお余談ではありますが、コロンブスの卵の逸話はじつに奥が深いので、このブログでもいずれ再登場することになるでしょう。でもそれはまたべつのお話じゃ。おたのしみに!

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