2012年10月27日土曜日

第3回 ゲーム企画屋さんに必要なスキルとは(2)

 こんにちは。かいぽんです。

 前回、ゲーム企画屋さんに必要とされる能力は以下のように分類できる。というお話しをしたのでした。


Game
Common

ゲーム制作に
特有のスキル
一般社会でも
有用なスキル
ビジョンを描くちから
(発想構想)


ビジョンを共有するちから
(説明伝達)


ビジョンを実現するちから
(計画実行管理)


不具合を取り繕うちから
(検査改善)



 前回の補足ですが、この表では、ゲーム制作に特有のスキルと、一般にも有用なスキルがきっぱりと分かれていますが、実際には当然どちらともつかないグレーゾーンもありますね。念のため。

 さて今回はその続き。「VSDTサイクル」の各項目の解説です。なおこの分類は、能力分類でもあり、実際にゲームプランナーが担当しなければならない仕事の種類ともいえます。そのつもりでごらんください。
  1. Vision − ビジョンを描くちから(発想・構想)
  2. Share − ビジョンを共有するちから(説明伝達)
  3. Do (Action) − ビジョンを実現するちから(計画実行管理)
  4. Troubleshooting − 不具合を取り繕うちから(検査改善)※トラブルシュート、現場合わせ

 ではさっそくまいりましょう。


1.Vision − ビジョンを描くちから(発想・構想)


 考える能力。

 アイデアを発想したりまとめたりすること。細かい例では仕様を考えたりシナリオやアイテムのネタを考えたり、広くは商品戦略を構想したりなどの、まあいわゆる頭をつかって考える能力ですね。

 一般には、ゲームプランナーや企画屋さんに必要な能力といえばこの能力だけを指す、かのように思われていますが、これは企画屋の能力の、ほんの手始めにすぎません。

 とはいえ、よい仕事はよいアイデアから始まります。まずはビジョンを描くちからがなくてははじまりません。


2.Share − ビジョンを共有するちから(説明伝達)


 伝える能力です。

 具体的には、企画書づくりや仕様書づくりなどの文書化能力やプレゼン能力、ビジネス用語でいう「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」に代表される基本的なコミュニケーション能力、高度なものでは多人数間で意志決定を合意するコンセンサス能力なども含まれます。プロモーションなども広義ではこの説明伝達能力といえるでしょう。


 この”伝える”能力の重要性を、ぼくはとくにだいじな能力として強調しておきたいです。


 あなたがどれだけ素晴らしいビジョンを着想しても、そのビジョンをチームメンバーと共有出来なければ、絵に描いた餅です。(いえ、「絵に描く以前の餅」です!!)

 どれだけよい発想があったとしても、それを人に伝えられなければ、それは”宇宙の真理を悟ったサル状態”――伝えられなければなんの意味も無いもの、なのです。


 ひとりのプランナーが「よし!一番の山を攻めるぞ。じゃあ準備してふもとで集まろう!」とチームのみんなにハッパをかけます。彼はエベレストのふもとで待ちますが、プロデューサーは富士山にむかい、デザイナーはキリマンジャロで待ち、プログラマーはなぜかラーメン二郎に並んで・・・その山盛りちゃう!!・・・みんなバラバラなことをしていた!!! なんてことはゲーム制作においてはじつにありがちな光景です。

 チームへの伝達がうまくいかず、もとの意図を共有できていなかった。という事故が往々にして起こりえます。そしてゲーム制作においては、そのような事故は制作工程に大きな無駄と手戻りを発生させ、修正のためのやりなおし作業がスケジュールや予算を大幅に圧迫することになります。ほんの小さなボタンの掛け違いが、プロジェクトに甚大な被害を生じさせる原因になりかねません。

 それだけにこの”伝える”能力、ビジョンを共有するちからは、特にゲームビジネスにおいてはたいへんに重要といえます。超強調して言っとく。


3.Do (Action) − ビジョンを実現するちから(計画実行管理)


 実行する(実行させる)能力。・・・ん、ちょっとわかりにくいかな。

 まあ簡単にいえば、データ実装とスケジュール管理、ちゅうことです。

 ビジョンを指示まで落とし込み、実装計画をまとめ、スケジュールを引き、マイルストーンを設定し、タスクリストを書いて、日々その進行をチェックする。必要であれば予算とかも算出する。
 ほかにはいわゆる外注管理などの諸業務も、この項目に含まれます。

 計画と予実管理だけでなく、実装作業自体も必要です。プランナーが実装担当すべき各種のデータやスクリプトがあれば、それもひたすら作成しなければなりません。そんな実装作業もこの項目に含みます。実装なくして実現なし!ニンジンとムチををじょうずに使ってキリキリと働きましょう(&働いてもらいましょう)。


 説明が少々あっさりですみませんw でもここはプランナーさんの腕の見せ所だよイヨッ!
 新人のプランナーさんは、まずだいたいはここを担当することからスタートすることが多いですね。

 ビジョンは実現しなければなんの意味もありません。ビジョンを実現するちからは、その土台となる能力です。


4.Troubleshooting − 不具合を取り繕うちから(検査改善)


 テストプレイと不具合対処能力です。

 ご存じのように、ゲーム制作というものは、実装が終わればハイ完成!というわけにはまいりません。他セクションに依頼した実装作業や作成されたデータが仕様通りできてるか、想定どおり動作するか、不具合が出ていないか、検査チェックすることが必要です。

 また実装にあたって、想定外の問題や不具合が発生する場合もしばしばあります。
 たとえば建築の世界では、図面設計どおりに切り出され運び込まれた資材の寸法が現場でちょっと合わない、建築現場で加工を微調整しその場で寸法を合わせて解決する、いわゆる「現場合わせ」ということがよく行なわれます。

 ゲームの現場でもそういったケースは多々あります。その場合にはすみやかに原因を特定し、問題の大小を見極め、それがちょっとした見落としなど小さな問題であれば、その場ですり合わせや調停をしたり、対策改善策を検討し修正指示することになります。(なお、手に余る大問題であれば、いったん持ち帰って然るべき対処をチームで検討しなければなりません。そういった見極めも能力のうち!)

 ゲーム制作とは、思ったようにはなかなか進みません。フラフラと進むボロ車のようにハンドルをつねに微調整しないと、うまくいきません。
 テストプレイ(バグチェック)は実装者や仕様作成者が確実に行い、問題が軽微なうちに対処しなければなりません。その業務と能力はプランナーにとって(いやゲーム制作にとって)必須であるといえます。

 「ちゃんと実装チェックして然るべき対処をする」というスキルをまとめたものが、不具合を取り繕うちから、といえますです。


まとめ


 多岐にわたるゲームプランナーの仕事も、作業サイクルにすればとどのつまりこの4つに集約できるといえます。

「まず考える → それを伝える → 作る → 作ったら試す → また考える →(以下ループ)」

VSDTサイクルまとめ図

 この4分類は、日々の業務を意識して整理したいときや、プランナーの人事考課を検討するときなどにも効果的な枠組みとなるかと思います。

 なんだかこのように4つに集約すると、シンプルすぎてかえって簡単にみえちゃいますね。でも実際には、どの項目にもそれぞれじつに広範で奥の深~いスキル領域が広がっています。ゲームプランナーはこれらの能力を網羅しマスターしていかなければなりません。たいへんですね!


 企画道に近道なし!企画道にゴールなし!日々精進の毎日です。


 さて今回のお話しはここでおしまいです。いかがでしたでしょうか。
なんか最後の図だけあればいいじゃん、説明なげーよww という突っ込みはナシですからね!

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